COLUMN
コラム
※注意:本ページでは管理建築士講習の受付は行っておりません。
管理建築士は、建築士事務所の開設や運営において、なくてはならない資格です。
この資格がないと、事務所を登録することすらできません。
管理建築士になるには、建築士法にもとづいて定められた「管理建築士制度」に従う必要があります。
要件や講習もあり、誰でもすぐになれるものではありません。
この記事では、管理建築士制度のしくみや、どうやって資格を取得するのか、その方法を詳しく紹介します。
あわせて、実際の業務内容や注意点なども取り上げているので、ぜひ参考にしてください。
管理建築士とは、建築士事務所の業務のうち、建物の設計、工事監理に関することなど、「技術的な事項を統括する建築士」のことです。
簡単に言えば、「事務所の技術責任者」と言ってもいいかもしれません。
建築士法では、すべての建築士事務所に、専任の管理建築士を配置することが義務づけられています。
これはどんなに小さな事務所であっても例外ではありません。
つまり、建築士事務所を名乗るためには、その事務所に管理建築士が必ずいなければならないのです。
この制度の背景や資格の取り方について、次の項目でさらに詳しく見ていきます。
2005年に構造計算書の偽造問題が取り上げられ、建築士への信頼が大きく失墜しました。これを契機として、2008年に建築士法が改正され、管理建築士制度が発足したのです。
管理建築士制度では、建築士事務所は専任の建築士が管理しなければならないとしています。
建築士が独立して建築士事務所を開設しようとする場合、代表者が管理建築士を担います。言い換えれば、建築士事務所を立ち上げるためには、管理建築士の資格が必須ということです。
複数の支社をもつ建築士事務所においても、本社の管理建築士が支社の管理建築士を兼務することはできません。
大手ゼネコンや全国規模のハウスメーカーなどでは、本支店ごとに建築士事務所登録しているため、それぞれに管理建築士を任命しています。
建築や設計を主体としていない不動産会社や公的な施設を運営する企業であっても、建築士事務所登録している場合は、専任の管理建築士が必要です。
このように建築士事務所の開設・運営の管理という職務を厳格に規定しているのが管理建築士制度です。
管理建築士になるためには、以下の3つが必要となります。
2.の業務経験とは、以下に記載した建築物に関する業務のことです。
3.の登録機関とは国交省から登録の認定を受けた機関のことです。管理建築士の講習を受講するには、1.と2.の条件をクリアしていなければなりません。
理建築士の受講申込方法には、従来からある対面方式とオンライン方式があります。
オンライン方式では、自宅などで受講し修了考査も自宅などで受けることができます。
詳しくは、登録機関である公益財団法人建築技術教育普及センターのHPで確認してください。
講習は、対面方式とオンライン方式の2種類があります。
オンラインの場合は、自宅での受講と修了テストが可能です。
詳細は、以下のURLで確認することができます。
管理建築士の主な役割は、大きく分けて3つあります。
それぞれについて順番に説明します。
建築士事務所に所属している建築士や技術者などが担当する業務量の管理です。
依頼された業務の量を見積し、業務が円滑に進捗するのに必要な期間や人員を設定します。そのうえでその業務の依頼を受けるか受けないかを判断します。
そして依頼を受ける場合は、担当者を誰にするのか、人数を何人振り分けるかなどの指示をするのです。
受注した業務の難度を管理するのも管理建築士の仕事です。
業務の難度を推し量り、その度合いに応じて担当者を決めます。そして業務にかかる期間を考えスケジュールを練ります。
事務所全体の業務体制のバランスを考慮することも重要です。
その後は、業務がスケジュール通りに進んでいるか、人員は足りているか、発注者とのコミュニケーションは上手くいっているかなども管理します。
所属する建築士その他の技術者の監督及び業務遂行の適正を管理することも管理建築士の重要な仕事の一つです。時には、建築士事務所の開設者に対しても、必要な意見を述べることを求められます。
業務に係る人員の個々の業務遂行の適正を管理し把握することができれば、人員配置やスケジュール管理を効率的に正確に行うことができます。
管理建築士は管理のために大きな権限をもつ職務ですが、同時に抱える責任も重大です。
それは管理建築士が不在となった建築士事務所は廃業しなければならない点を見ても明らかです。
その他の管理建築士の業務上の注意点について以下にまとめました。
このような注意点に十分留意して、管理建築士の職務を担うことをおすすめします。
管理建築士は、建築士事務所の技術面を支える中心的な存在です。
大きな責任を負う立場であるため、制度上の要件や業務の内容について正しく理解しておくことが大切です。
「管理する」という立場上、さまざまな判断や調整が求められますが、知識と経験を活かせる場面も多く、社会的な信頼も高い役割です。
今後、建築士としてステップアップを目指す方は、管理建築士を目標の一つにしてみてはいかがでしょうか。
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