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【施工管理】や【現場監督】に係る【派遣禁止業務】とは?禁止とならない業務も紹介

施工管理技士・現場監督派遣

1 派遣禁止業務とは?

派遣禁止業務とは、労働者派遣法で明確に定められている、派遣労働者が行ってはいけない業務のことを指します。
これは、派遣労働者の安全や労働条件の確保、専門的知識を要する業務の適正化を目的として規定されている重要なルールです。

具体的には、以下のような業務が派遣禁止業務に該当します。

  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業務
  • 病院や診療所など医療現場での業務
  • 弁護士や社会保険労務士などの士業務

たとえば港湾運送業務の場合、港湾の岸壁から船舶に貨物を積み込んだり降ろしたりする作業、船舶上での荷物の移動や固定作業などは、派遣労働者が行ってはいけません。
これは、作業中に事故が発生した場合のリスクが非常に高く、専門的知識や技能が求められるためです。
建設現場でも同様で、高所での足場組立や重機操作など、危険を伴う作業は派遣禁止業務に該当します。

施工管理技士として現場に関わる際にも、現場での「作業」と「管理」の区分を理解しておくことは非常に重要です。
派遣労働者であっても、安全管理や書類作成、工程の確認など、現場作業に直接関わらない業務であれば禁止されていませんが、作業そのものに関わる場合は違反となるため、注意が必要です。


2 派遣禁止違反の罰則は?

派遣禁止業務に違反した場合の罰則は、労働者派遣法により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金と定められています。
違反の重さは法令上4段階に区分されており、派遣禁止違反はその中で2番目に重い罰則に位置付けられています。

重要なのは、罰則の対象は派遣先だけでなく、派遣元も含まれる点です。
たとえば、派遣元企業が労働者を禁止業務に就かせた場合、派遣業務の停止命令や業務改善命令などが下され、事業運営に大きな影響を与える可能性があります。
現場で安全管理や工程管理を担当する施工管理技士の立場からも、派遣禁止業務の違反が発生すると、現場全体の安全責任やコンプライアンスに関わるため、十分な注意が求められます。

また、派遣労働者本人も、知らずに禁止業務に従事してしまうと、本人責任として注意や指導の対象となる場合があります。
そのため、現場に配属される際には、作業内容の確認や契約書・業務範囲の確認を事前に行い、違反が発生しないようにすることが非常に重要です。

3 施工管理や関連する派遣禁止業務14業務 

施工管理技士

施工管理や現場監督として派遣先に配属された際に、建設業務の禁止業務に該当する事例を把握しておくことは違反を起こさないために重要です。

派遣禁止業務として覚えておいてほしい14業務を紹介しますので参考にしてください。

3-1 派遣禁止業務①

建設業務とは、土木や建築、その他の工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊もしくは解体の作業やその準備に係る業務をいいます。

ですから、建設現場での作業やその準備のための作業は派遣禁止業務となります。たとえば、ビルや家屋などを建築している現場での資材の運搬や組立などが該当します。

3-2 派遣禁止業務②

道路、河川、橋、鉄道、港湾、空港などの新設や修繕の工事現場での作業は派遣禁止業務です。掘削や埋立、資材の運搬や組立などが当てはまります。

施工計画書の作成や、品質管理や工程管理などの施工管理は派遣禁止業務に含まれません。ただし、専任でその職務に従事するには、恒常的な雇用関係が必要なため派遣業務の対象とはならないので注意が必要です。

3-3 派遣禁止業務③

コンクリートの調合や建築資材の加工などは、派遣禁止業務に該当します。

土木や建築の現場では、セメントや水、骨材などを調合してコンクリートを生成しますが、これも工事の準備のための作業になるため派遣労働者が作業を行うことは禁止されています。

コンクリートの生成に限らず、建設資材を施工のために加工するなどの準備作業全般が派遣禁止業務です。

3-4 派遣禁止業務④

派遣労働者の建設業務に係る準備作業全般の業務禁止は、労働者派遣法4条で規定されています。

土木や建築など、建設工事現場での構造物の建設、改造や保存、修繕、更新、破壊や解体作業における準備作業はすべて禁止されています。

3-5 派遣禁止業務⑤

建設工事現場内での資材や機材の搬送は、派遣労働者の禁止業務です。

ただし、当てはまるのは現場内での搬送業務であり、現場外の工場や倉庫などから持ち込まれる資材や機材の搬入に関しては禁止業務に該当しません。

3-6 派遣禁止業務⑥

建設工事現場内での壁や天井、床や塗装の補修作業は派遣禁止業務です。

壁や天井、床などのちょっとしたひび割れや亀裂であっても、派遣労働者が補修作業を行うことはできません。

3-7 派遣禁止業務⑦

建設工事の現場で壁や天井などに、建具類を設置したり撤去したりすることも禁止されています。建具類とは、戸や障子、ふすま、窓、ドアなどのことです。

建物の改変や修理、解体などを目的とする場合の建具類の撤去も派遣労働者の禁止業務です。

3-8 派遣禁止業務⑧

建築物や構造物の外壁部分に電飾板や看板などを設置したり撤去したりするのは派遣労働者の禁止業務です。

当該工事に関係ない立場であっても、外壁部分への看板などの設置は認められていません。

3-9 派遣禁止業務⑨

建築や土木工事の現場において、配水や配電のための管や機器の設置をする作業も派遣禁止業務です。

直接、配管工事を行う業務だけでなく、それに関連した機器の設置を行うことも認められていませんので注意が必要です。

3-10 派遣禁止業務⑩

工事現場出入口の開閉、車両出入りの管理・誘導は、派遣労働者の禁止業務です。建設機械等を含む、工事現場に出入りするすべての車両について禁止されています。

3-11 派遣禁止業務⑪

工事現場での工事終了後の整理や清掃、後片付けなども派遣禁止業務となっています。直接、工事とは関係のない現場でも、清掃や資材整理などは禁止されているので注意が必要です。

また、当然のことですが、建築物の内装の仕上げなども禁止業務となっています。

3-12 派遣禁止業務⑫

イベント用の大型仮設テントや大型仮設舞台の設置は派遣労働者の禁止業務です。

簡易なテントやパーティション程度のものは可能となっています。また、テント内で使用するイスや装置、大道具小道具の設置は問題ありません。

3-13 派遣禁止業務⑬

仮設住宅(プレハブ住宅など)の組立作業も、派遣労働者の禁止業務です。自然災害による避難や工事期間中の仮住まいなど、すべての仮設住宅の組立は、派遣労働者の禁止業務です。

3-14 派遣禁止業務⑭

家屋を含む、すべての建造物の解体作業は、派遣禁止業務です。建設・土木工事現場での破壊や解体作業が禁止されているのと同様の扱いとなっています。

4 派遣禁止業務に該当しない3業務

労働者派遣法では、建設現場においても派遣労働者が従事できる業務があります。
ここでは、施工管理や建設業務に関わる中でも、禁止業務に該当しない3つの業務を具体的に紹介します。


4-1 業務① 施工管理・工程管理業務

施工管理業務は、現場での作業そのものではなく、作業の計画・監督・調整を行う業務です。
具体的には以下の業務が含まれます。

  • 工程表の作成・更新
  • 作業スケジュールの管理
  • 作業員や下請け業者の進捗確認
  • 安全管理・危険予知活動の指導
  • 品質チェックや点検の指示

施工管理技士として現場に派遣された場合、直接手を動かして作業することはできませんが、現場監督としての判断・指示・管理は派遣可能です。
例えば、コンクリート打設作業を現場で監督し、適正な作業手順を指示するのは業務に含まれます。


4-2 業務② 事務・庶務業務(建設関連事務)

現場や施工管理に関わる書類作成・データ入力・電話対応・発注管理などは派遣禁止業務には該当しません。
施工管理技士として関与できる事務業務の例は以下の通りです。

  • 資材発注書や請求書の作成
  • 工事写真や進捗報告書の整理・提出
  • 安全報告書や点検記録の管理
  • 社内・協力会社との連絡調整

つまり、書類作成や電話・メールによる調整など、手作業で建設工事に直接関わらない業務は派遣可能です。


4-3 業務③ 設計・図面作成・CAD業務

建設現場において、設計や図面作成業務も派遣禁止業務には含まれません。
CADを用いた設計、施工図の作成、構造計算、図面の修正やチェックなどが該当します。

現場で施工管理を行う場合も、施工計画に基づいた図面の確認や修正作業は許可されており、施工作業に直接従事しない限り、派遣違反にはなりません。
例えば、現場での配管や配線の位置確認を図面に反映する作業は問題ありません。


4-4 まとめ

  • 施工管理・工程管理:作業指示や安全管理など、管理業務は可能
  • 事務・庶務業務:書類作成や電話・メールでの調整は可能
  • 設計・図面作成:CADや設計作業も派遣可能

派遣禁止業務と該当しない業務の線引きを理解することで、現場における法令遵守が徹底できます。
現場管理者としては、派遣労働者に禁止業務をさせない一方で、管理・事務・設計業務を適切に割り振ることが重要です。

施工管理視点での派遣禁止業務と派遣可能業務一覧

現場で派遣労働者を活用する際に、どの業務が禁止で、どの業務が可能かを明確にしておくことは重要です。
以下の表では、施工管理や現場監督の視点で、業務内容と注意点を整理しています。

分類業務内容派遣可否現場での注意点
建設作業土木・建築・解体作業、資材搬入・組立、掘削・埋立、コンクリート打設、壁・床・天井補修禁止派遣労働者は直接手を動かす作業に従事させない。施工管理者が指示・監督する場合は問題なし。
設置作業電飾板・看板設置、建具類設置・撤去、配管・配線設置、仮設住宅組立禁止作業手順の確認や安全指導は可能。派遣労働者には実作業を行わせない。
現場出入管理出入口の開閉、車両誘導禁止安全監督は可能だが、出入りの直接管理や誘導は不可。
清掃・整理工事終了後の整理・清掃禁止作業現場の片付けや資材整理を派遣労働者に任せない。
施工管理工程管理、品質管理、安全管理、作業指示可能作業員への指示・確認は可能。管理業務専任であれば派遣でも従事可。
事務・庶務書類作成、データ入力、発注管理、進捗報告書作成可能現場事務所での事務作業は派遣可能。必要な書類やデータ管理を徹底する。
設計・図面作成CAD操作、施工図作成、図面チェック、構造計算可能直接施工に関与しない設計業務は派遣可能。施工図を管理者に確認させる運用が望ましい。

現場管理者としてのポイント

  1. 禁止業務の線引きを明確にする
    派遣労働者に手を動かす作業や現場での直接作業をさせない。
  2. 管理業務や事務業務は積極的に活用
    施工計画や安全管理、書類作成は派遣可能。適切に業務を振り分ける。
  3. 教育・指導は可能
    作業方法や安全指導の講習・説明は派遣労働者でも行える。
  4. 専任技術者との兼務に注意
    主任技術者や監理技術者としての業務は、派遣労働者が従事できない。

この一覧表を現場で掲示したり、派遣元との業務打合せに使用することで、法令違反を未然に防ぎつつ、安全で効率的な現場運営につながります。

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