COLUMN
コラム継続する新型コロナウイルスの影響により、建設業界も少なからず打撃を受けました。
「東京オリンピックまでは建設ラッシュだったけど、今後はどうなるの?」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
特に施工管理のような現場中心の仕事では、業界全体の景気や動向が求人や働き方に直結します。
派遣として施工管理に関わろうと考えている方にとって、「将来性」は非常に気になるポイントです。
今回は、施工管理職の今とこれからについて、現状の整理と将来の展望を踏まえた上で、施工管理職のメリットや可能性をわかりやすく解説していきます。
現在、建設業界では施工管理職をはじめとする技術者や職人の人手不足が続いています。
この状況は一時的なものではなく、長年にわたり慢性的に続いている問題です。
建設現場では多くの仕事があふれていますが、それに対して人材の供給が追いついていないのが現実です。
特に施工管理は、現場をまとめる重要な立場であるため、常に人材が求められている職種の一つです。
なぜ人が足りないのか――その理由の一つに、建設業界に対する「イメージの悪さ」があります。
長時間労働、休みが少ない、体力的にきついというイメージが根強く、若い人の応募が年々減少しています。
また、業界全体で従事者の高齢化が進んでおり、定年による離職者が増えているにも関わらず、若年層の流入が追いついていない状況も深刻です。
そんな背景から、企業は未経験者や派遣社員の採用を積極的に行い、現場教育にも力を入れるようになってきました。
以前は「経験者優遇」が当たり前でしたが、今では未経験者にも門戸を開き、研修制度の充実や丁寧なOJTを行う会社も増えています。
さらに、2024年4月からは建設業における労働時間の上限規制が本格的に導入されます。
これにより、今までのような長時間労働が見直され、業界全体で働き方改革が進んでいくと見られています。
こうした背景をふまえると、施工管理職は「厳しいけど、改善の兆しがある」「将来を見据えて安心して働ける環境に変わりつつある」と言えるでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大により、一時的に建設投資額は落ち込みました。
例えば、国土交通省の資料によれば、2019年度の建設投資額は62.4兆円でしたが、2020年度には60.9兆円に減少しています。
ただし、その後徐々に回復傾向にあり、2022年度には66.9兆円という見込みが発表されています。
もちろん、今後も油断はできません。
世界的なサプライチェーンの混乱や、ロシア・ウクライナ情勢などの影響により、資材調達の困難さや資材価格の高騰、人件費の上昇などの課題は続いています。
これにより、一部の民間工事では予算圧迫や着工の延期といったケースも出ています。
それでもなお、施工管理職の将来性は高いと見られています。
その理由の一つが、インフラや公共工事の需要が高まっている点です。
たとえば、2025年には大阪・関西万博が開催予定ですし、高速道路や上下水道、橋梁など、老朽化したインフラの改修工事は全国各地で計画されています。
さらに、ホテルや商業施設などの再開発も進行しており、都市部だけでなく地方でも施工管理職の需要が拡大しています。
建設業は「景気に左右されやすい」と言われますが、今後しばらくは需要が底堅く推移すると見られています。
派遣やフリーランスという柔軟な働き方も増えてきており、自分に合った働き方を選べるチャンスも広がっています。
出典:令和4年度 建設投資見通し(国土交通省)
参考:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001516234.pdf
建設業界全体としては、需要は引続き増加しています。2021年に東京オリンピックが閉幕しましたが、2025年には大阪万博が予定されています。他にも、高速道路などのインフラ施設の老朽化の対策を含む大型の公共工事や、ホテルなどの民間施設の建設工事も続々と着工しており、施工管理は今後も十分に将来性のある仕事といえます。
また前段でも述べましたが、2024年施行の働き方改革により残業時間の上限が設けられるため、以前のような働き方はできなくなります。それに加えて多くの企業では、性別を問わない積極的な採用を行っており、すべての従業員が働きやすい環境を目指し、急ピッチで整備を行っています。
きつい・汚い・危険の3Kのイメージが根強い建設業界ですが、時代の変化とともに、新3K(給与・休暇・希望)のイメージに向かって大きく進化を遂げていますので、期待できるでしょう。
そもそも、人間が生活していくために必要な三大要素として「衣食住」が挙げられています。人が生きていくためには、建設業は必要不可欠です。人口が減っても建物は必要ですし、道路やトンネル、水道管といった社会インフラも含め、一度作って終わりではなく、老朽化してくればメンテナンスや改修工事が必要となります。こういったことからも、施工管理の将来性は十分に明るいと言えます。
2024年施行の働き方改革で、週休2日制の導入、残業時間の上限が設定されます。当初建設業界での達成は難しいと思われていましたが、各現場において工夫を凝らし、少しずつ守られてきています。またIT化が進み、3DプリンターやICT建設機械、ドローンの活用による業務負担の軽減も積極的に取り入れられています。
「施工管理=きつい」というイメージを持っている方も多いかもしれません。
実際、施工管理の仕事は多岐にわたる業務をこなし、責任も大きく、楽な仕事とは言えません。
現場では工程管理、安全管理、品質チェック、業者との打ち合わせなど、日々たくさんのタスクに追われることもあります。
特に慣れるまでは、気を張ることも多く、ストレスを感じやすい場面もあります。
しかし、それだけに得られる経験やスキル、そして達成感も大きいのが施工管理という仕事です。
一つの建物が完成するまでの全工程に関わり、自分が携わったものが形になって残るのは、他の職種にはない大きな魅力です。
それに加えて、施工管理は将来性・安定性の面でも注目されています。
建設業は「衣・食・住」の「住」を担う、なくてはならない産業です。
人口が減少しても、建物は必要ですし、インフラは老朽化に伴って修繕が必要になります。
新築だけでなく、改修やメンテナンスといった仕事が絶えず発生するため、仕事が完全になくなることはありません。
さらに、働き方の改善も進んでいます。
2024年の働き方改革では、週休2日制の導入や残業時間の制限が始まり、各企業も対応を進めています。
一部の現場では、すでに「働きやすさ」を意識したシフト調整やタスク分担が行われています。
また、ICTやAI技術の導入が進んでおり、ドローンや3D測量、遠隔監視などの技術によって作業負担を軽減する取り組みも増えています。
今後、施工管理職は「きついけど給料がいい仕事」から、「スキルを活かして長く働ける仕事」へと変化していくでしょう。
施工管理職は、確かに多忙で責任の重い仕事ですが、その分だけやりがいがあり、安定した将来が期待できる職種です。
建設業界の構造的な人手不足、公共工事の増加、そして働き方改革の進展により、今後の施工管理はますます注目される存在となっていくでしょう。
従来の3K(きつい・汚い・危険)から、今は新3K(給与・休暇・希望)にシフトしつつあり、職場環境も改善されつつあります。
もちろん、大変なこともありますが、それ以上にメリットや可能性も多くあるのが施工管理という仕事です。
もし少しでも興味を持ったなら、まずは一歩踏み出してみてください。
ネガティブなイメージだけで判断せず、自分の目で見て、感じて、判断していきましょう。
きっと、自分らしい働き方を見つけられるはずです。
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